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「もう一人の園子温」監督

  18, 2013 00:32

希望の国

監督 園子温
脚本 園子温
俳優、夏八木勲の遺作。

希望無き国

防護服と・・・


20XX年、日本の長島県の東方沖で起こった大地震により、原子力発電所が事故を起こし、
原発から半径20km圏内が警戒区域に指定された。

酪農家の小野泰彦一家の家は区域から外れたが、
道路を隔てた鈴木家は強制的に避難させられる。

かつての東日本大震災における原発事故時の政府の対応を思い出し、泰彦は息子夫婦を避難させた。
原発の状況が刻々と悪化していく中、ついに小野家を含む地域も避難区域に指定される。

放射能恐怖症

妊娠した嫁の買い物風景

嫁ぎ先の父親の小野泰彦(夏八木勲)が託したガイガーカウンターと原発や被爆に対しての本を読見すぎて
放射能とセシウムに過敏になりはじめる。
避難地で妊娠が解った小野いずみ(神楽坂恵)が放射能恐怖症になり、腹の中の赤ちゃんの為だけに
旦那と喧嘩をしつつ、宇宙服のような装備で買い物に行く場面。

一時期、潔癖症の患者が手袋無しに行動できない心理を置き換えているらしい。
実際に放射能恐怖症が存在するのかは不明。

「家に帰ろうよ!!帰ろう!」

想い出の場所へ行こう。

認知症を患った小野泰彦(夏八木勲)の妻 小野智恵子(大谷直子)が真冬に浴衣を着て
昔、夫婦二人が恋を誓った「盆踊り会場」へと寒空の中ひたすら歩き回るシーン。

認知症の妻が必ず「家に帰りたい」とボケ発言をするが、
後々になって、旦那の小野泰彦(夏八木勲)がこの言葉の真の意味を知る。

妻の「どこまでも一緒だよ」死を受け入れているのか意味が解っていないのか
放射能汚染牛を皆殺しにして帰宅した旦那に後ろから銃で撃たれるのもためらい一つ無かった。
振り向いた笑顔のまま銃口を恐れない妻に旦那は心が折れてしまった。
しばらく認知症の妻と噛み合わない言葉を交わして、二人の愛情を確認し
旦那が「一緒に帰ろうか・・・」と質問。妻が「うん、」と答え二人で自殺する。

「原発の町にようこそ」の看板これが嫌味としか思えない。
小野泰彦(夏八木勲)は原発誘致反対派だったか、時の圧力で原発が出来てしまった。
認知症の妻には原発が建ったのも、事故で壊れた事も、認識できていなかった。

今回は、放射能が飛び交う木々の景色や夕暮れの景色を敢えて綺麗な風景として何度も使っている。
津波で流された悲惨な画面も極力綺麗にオブジェとして撮影している気配。
いつもの園子温 が多用するグロい描写や低俗なネタは完全に排除しているように思える。
今回のテーマは実は家族愛と言う結末。

後続の今頃製作のお涙頂戴、感動震災映画よりも、こっちの園子温 版が説得力が有り過ぎる。

今回の園子温 監督は前回の映画「ヒミズ」の製作スタッフに
福島出身者が居た事から「希望の国」企画ができあがったらしい。

新聞報道

NHKが特番でメイキングを撮っていたが、今までの常連スポンサーから今回は降りられて
何度も撮影費が足りなくなりながら製作していたらしい。
最後は「日本であった原発事故」を見習いたい海外番組の企画達から制作費を工面してもらったらしい。

この映画はほとんど宣伝される事もなく、
「俳優、夏八木勲の遺作」としてしか扱われずに、マスコミやメディアからは黙殺されていた。

今回の作品は、もう一人の裏側の園子温が作った作品のように感じた。
あの毒しか盛れない監督がここまで親子愛と家族愛の映画を作ったのは、やはり、福島の惨状を
見てしまったからなんだろう。

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Comment 1

クロ子  

NoTitle

…ちょっとすごいね…こんなに「ぶつけてくる」作品だとは
思っていませんでした。
問題を正面から切りかかってくる作品を見るのって
すごく怖いんだけど、うん…現在の日本人として
見て考えるべき作品なのかな。
レビューすごく印象に残りました。

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